明日は冬至。一年間で日照時間がもっとも短くなる日です。また、日神とも称される天照大神様のお力が最も弱くなってしまう日でもあります。
毎年この時期には新年をお迎えする準備として神棚の御神札を新しくします。ではなぜ神棚をお祭りし、毎年御神札を新しくするのでしょうか。
神棚の起源は『古事記』上巻に記されている「御倉板挙之神(みくらたなのかみ)」だと伝えられています。現在の神棚の形式は中世末期頃から形造られてきたと伝えられています。
我が国には古来より親から子、子から孫へと脈々続く生命の繋がりを尊び、これを発展的に未来へ受け継いでゆく、という考え方があります。家庭において神棚をお祀りし、その祭祀を実践するという行動そのものが理屈を超えた信仰(考え方)を伝えるものとなります。自らの信念に基づいて営む信仰的実践生活(神棚祭祀)は、その信仰(考え方)を次世代へと伝えてゆきます。
神棚を通した家庭祭祀は町々村々の共同体の祭祀、つまり産土神社の祭祀につながり、各神社の祭祀は伊勢神宮や宮中で行われる天皇の祭祀とつながります。こうしたつながりは連綿と続く日本人の文化の連続性やアイデンティティを継承するために欠くことのできない非常に重要な要素となっています。家庭の神棚祭祀はまさにその基礎になるものなのです。
神棚には神宮大麻(じんぐうたいま)という伊勢神宮の御神札(天照皇大神宮)、氏神様の御神札、崇敬神社の御神札等をお祀りします。昨年受けた御神札の御神気も一年を経て徐々に弱まり「気枯れ=穢れ」の状態になってしまいます。そのため新しい御神札を受けることで御神霊のお力を新たにいただくのです。
大いなる御存在である神々を拝礼することは、私たちの存在がささやかなものであることを感じ取ることとなり、日々の生活における自己主張なども意味のないものだと感じるのではないでしょうか。家庭であれば円満となり絆が強まります。また、毎朝の拝礼は日々の生活のリズムを生み出します。
ご家庭の守りの中心として神棚をお祀りし、新しい御神札に神々の伊吹を感じながらご家族そろって新しい年をお迎えしましょう。平成30年が皆様にとりまして素晴らしい年となりますようお祈りしております。